日本中、世界中で、
これほど多くの悲しい涙が流された3月が、
これまであったのだろうかと考えてしまいます。
自然の猛威の前に「想定」はなすすべもなく、
多くの尊い命が失われてしまいました。
制御できない科学技術は見えない力で
人間の知恵をやすやすとくぐり抜けて、
罪のない人々の生活を踏みにじっていくようです。
しかし、これほど勇気付けられた3月もありません。
震災後間もなく停電している避難所で生まれ、
懐中電灯の明かりを頼りに臍の緒を切られた赤ちゃん。
9日ぶりに奇跡の生還を果たした孫と祖母。
日本各地、世界各国から送られる有形無形の善意。
政治、経済、文化、技術・・・最近の日本そして日本人は、
あらゆる面で自信を失いかけていたかも知れませんが、
こんなに尊敬されていることを初めて実感できました。
日本はこの天変地異とも言える大災害を期に、
未来を創造できるかどうかの岐路に
立たされているのかも知れません。
これからは少しずつ復興に向かって
前進していかなければなりません。
想定を超えるような災害時にも安心安全なまちづくり、
いざというとき、助け合い支えあえるコミュニティ、
電力や水・食料などの供給量に見合った生活、
解決すべき問題が多すぎて、
どこから手を付ければよいのかすら分からない
そんな状況にも思えてしまいますが、
終わらない仕事はありません。
3月11日の震災当日から早3週が経過し、
「やっぱり日本はすごいね」と言われるような、
そんな希望の一歩を踏み出す4月を
静かに迎えようとしています。